7. 耳鳴り 難聴に対する鍼灸治療
・ 耳鳴りと難聴は深い関係にあります。
耳鳴りが生じている患者様の多数が難聴を患っている、また、起因となる疾患などが近年分かってきていますが、分からない領域であるのも事実です。
・ 突発的な耳閉塞感などは突発性難聴(SD)の疑いが強く、早急に耳鼻科などでのステロイド治療(炎症に対する抗炎症、障害の進行抑制)などが必須ですが、当院では、それ以降症状の改善が確認できない、謂わば、耳鳴りを含め、服薬、点滴療法では改善できない症状と多く出会ってきました。
[突発性難聴(SD)は原因不明の感音難聴の総称であり、循環不全、ウイルス感染、自己免疫によるもの、ストレスが原因ではないかと推定されている]
[耳管開放症による自声強調、耳閉感は体重減少後や急性中耳炎の後遺症、吹奏楽器演奏後などに生じることが多いとされるが、原因がわからないことも多い]
[また、耳鳴りは大脳聴覚野の神経活動が活発になった際に生じるとも考えられ、ストレスや疲れで強くなり、より耳鳴りが気になってしまうこともあります]
◇鍼灸治療では
当院での東洋医学における体表観察では、頚部や肩部の浅い部分に拡張性の毛細血管,細静脈枝、紫のミミズが這うような所見である(細絡さいらく)を確認できます。これは齢を重ねるごとによる耳鳴り 難聴においても同様に確認できます。
上記の細絡というものが生じていれば東洋医学における「瘀血」すなわち、血が滞った状態と診断し、刺鍼の対象です。
多くの場合、耳の後ろにある乳様突起部、そして胸鎖乳突筋や後頚部の緊張を訴える方が多く、その硬結部へは細い鍼を用いて筋緊張緩和を目的とし刺鍼します。
また、自律神経や安神寧心といった観点から、頭頂部や手足への鍼灸刺激を行う場合もあります。
上記のポイントを細やかに狙うと同時に、血流改善、また、耳を主る「腎」というものを補いつつ、東洋医学的な清熱散風の作用を身体に引き起こすのが重要であると考えます。